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8 カスタマイズ
ここでは、Mew のデフォルトの動作を変更し、自分好みの Mew にする方法を説 明します。主に "~/.mew.el" で設定して下さい。
8.1 Summary mode | ||
8.2 Message mode | ||
8.3 Draft mode | ||
8.4 文字コード | ||
8.5 色付け | ||
8.6 フック | ||
8.7 POP | ||
8.8 IMAP | ||
8.9 NNTP | ||
8.10 SMTP | ||
8.11 送受信の動作変化 | ||
8.12 設定の書式 | ||
8.13 その他 |
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8.1 Summary mode
Summary モードの書式は、‘mew-summary-form’ で指定できます。以下に 初期値を示します。
(setq mew-summary-form '(type (5 date) " " (14 from) " " t (30 subj) "|" (0 body)))
このように、‘mew-summary-form’ は、リスト、シンボル、文字列のリストで す。
- 文字列はそのまま出力される
- リストは、整数とシンボルから構成される。シンボルは、呼び出す関数を意味す る。関数名は、"mew-summary-form-" とシンボル名を連結することで作られる。 (例: ’date というシンボルは、‘mew-summary-form-date’ という関数名 になる) あらかじめ定義されているシンボルには、’type、’time、’date、’year、 ’size、’from、’subj、’body がある。詳細は、 ‘mew-summary-form-<symbol>’ という名を持つ関数の説明を参照のこと。 整数は、関数が返す文字列が埋めるフィールドの幅を指定する。正の数は、左詰 めを意味する。負の数は、右詰めを意味する。もし、負の数を指定する場合、対 応する関数は ASCII 文字列を返す必要がある。0 は、行の残りを意味し、左詰 めとなる。
- ‘t’ 以外のシンボルは、(1 シンボル) に等しい。
- ‘mew-summary-form’ は、利用される際に先頭に (mark) が付け加えられる。
- ‘t’ は、スレッドの際に段付けする位置を意味する。
例を以下に示します。
(setq mew-summary-form '(type (5 date) " " (-4 size) " " (14 from) " " t (30 subj) "|" (0 body)))
‘mew-summary-form-from-me-prefix’ は、自分から送信されたメッセージの宛 先の先頭に加えられる文字列です。初期値は "To:" です。
‘mew-summary-form-extract-rule’ は、From: フィールドからどの部分を切り 出すか指定するためのリストです。要素は、’name、’comment、’address、 ’nickname、あるいは正規表現である必要があります。初期値は ’(nickname) で す。
次の例を考えて下さい。
A: Kazu Yamamoto <kazu@example.org> B: kazu@example.org (Kazu Yamamoto) C: Kazuhiko Yamamoto (Kazu) <kazu@example.org>
それぞの要素は、以下のような意味を持ちます。
-
’name:: 名前の部分
A. Kazu Yamamoto B. (No match) C. Kazuhiko Yamamoto (Kazu)
-
’comment:: コメントの部分
A: (No match) B: Kazu Yamamoto C: (Kazu)
-
’address:: アドレスの部分
A: kazu@example.org B: kazu@example.org C: kazu@example.org
- ’nickname:: ‘mew-addrbook-for-summary’ の値に応じたアドレス帳の個人 情報のある要素。‘mew-addrbook-for-summary’ の初期値は ‘'nickname’ なので、通常はニックネームに変換される。何が指定できる かは、See section Draft mode を参照のこと。
- (regex):: 最初に合致した文字列
ある要素が合致しない場合、次の要素が評価されます。どの要素も From: フィー ルドに合致しない場合か、この値が ‘nil’ の場合、From: フィールド全体 が利用されます。
‘mew-summary-form-mark-delete’ が ‘t’ の場合、重複しているメッセー ジに自動的に ‘D’ マークが付きます。初期値は ‘nil’ です。
‘mew-summary-form-mark-spam’ が ‘t’ の場合、本文の一部に対す る MD5 チェックサムが一致しているメッセージに自動的に ‘D’ マークが 付きます。初期値は ‘nil’ です。
‘mew-summary-form-mark-review’ が ‘t’ の場合、自分宛てのメッセー ジに自動的に ‘*’ マークが付きます。初期値は ‘nil’ です。
いつも Emacs のフレーム全体で Mew を使いたい人は、以下の設定をして下さい。
(setq mew-use-full-window t)
Summary モードの ‘SPC’ は、‘mew-summary-show-direction’ によっ て、次のメッセージの表示の仕方が変わります。また同様に、強いマークを付け た後カーソルが動く方向は ‘mew-summary-mark-direction’ により指定で きます。以下の値を設定できます。
- ‘up’
上のメッセージを表示する。
- ‘down’
下のメッセージを表示する。
- ‘next’
読み進めている方向の次のメッセージを表示する。
- ‘stop’
次は表示しない。
両方とも初期値は ‘next’ です。いつもメッセージを下から読む人は、以 下のようにすればよいでしょう。
(setq mew-summary-show-direction 'up)
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8.2 Message mode
Emacs がサポートしてないデータ型のファイルは、Message バッファに直接表 示できません。そのデータをテキストに整形する外部コマンドをインストール すれば、Message バッファに表示可能になります。
以下の設定を "~/mew.el"に加えれば、Text/Html を Message バッファに表示 できるようになります。
(setq mew-use-text/html t) ; decode HTML for all folders
これで、あたかも Text/Plain であるかのように、Text/Html を Message バッ ファに表示できるようになります。この際も、以下で説明する ‘C-cC-e’ の操作は有効です。
デフォルトでは Text/Html の表示は Emacs の組み込みブラウザを使います。
そのほか、w3m ブラウザを使って表示させることもできます。 そのためには、まず "w3m" と "emacs-w3m" をインストールします。 (以下で説明する "wvHtml"、"xlhtml"、 "ppthtml" は、単なる "w3m" ではなく、国際化された "w3m-m17n" が必要で す。) 両者をインストールしたら、"~/.mew.el" に以下の設定を加えて下さい。
(condition-case nil (require 'mew-w3m) (file-error nil))
"wvHtml"、"xlhtml"、"ppthtml" というコマンドをインストールすれば、それ ぞれ WORD、Excel、PowerPoint ファイルのテキスト部分を、Message バッファ に表示可能です。これらのコマンドは、HTML を利用するので、上記の Text/Html の設定を完了させて下さい。これで、たとえば WORD ファイルをあ たかもテキストのように、Message バッファに表示可能になります。
外部のプログラムの整形結果を Message バッファに表示する代わりに、外部の プログラム自身にそのデータを表示させることもできます。これには ‘C-cC-e’ を使います。
Message バッファに画像を表示することもできます。 Message バッファに表示している画像の拡大や縮小は ‘C-xo’ 等でカーソルを 画像が表示されているウィンドウに移動し、‘+’ や ‘-’ を使います。 また ‘C-cC-e’ を使い、外部のプログラムに表示させることも可能です。
HTML は ‘C-cC-e’ を使って外部のブラウザに表示できます。Windows や Mac ではデフォルトのブラウザが利用されます。Unix では、以下のように "mozilla" が初期値となっています。
(defvar mew-prog-text/html-ext '("mozilla" ("-remote" "openFile(%s)") t))
たとえば、これを "firefox" に変更するには以下のようにします。
(setq mew-prog-text/html-ext '("firefox" ("-a" "firefox" "-remote" "openFile(%s)") t))
Office 関連のファイルも、‘C-cC-e’ を使えば、それぞれのアプリケーショ ンで表示可能です。Windows や Mac では、文字通り Office のアプリケーショ ンが起動されます。Unix では、以下のように "soffice" が初期値となってい ます。
(defvar mew-prog-msword-ext "soffice") (defvar mew-prog-msexcel-ext "soffice") (defvar mew-prog-mspowerpoint-ext "soffice")
これを "xdg-open" に変更するには以下のようにします。
(setq mew-prog-msword-ext "xdg-open") (setq mew-prog-msexcel-ext "xdg-open") (setq mew-prog-mspowerpoint-ext "xdg-open")
また Office 関連のアプリケーションに対し、‘SPC’ などでは内容を表示 せず、‘C-cC-e’ では "wvHtml" などを使って Message バッファに表示す るには、以下のように設定します。
(setq mew-prog-msword '(nil mew-mime-application/msword)) (setq mew-prog-msexcel '(nil mew-mime-application/msexcel)) (setq mew-prog-mspowerpoint '(nil mew-mime-application/mspowerpoint))
あらかじめ定められているコマンドではなく、任意の外部コマンドを呼び出し たい場合は、‘C-uC-cC-e’ と入力して下さい。
最近、Multipart/Alternative の中に Text/Plain と Text/Html の両方が入っ ており、どちらかを選ぶようになっているメッセージ(いわゆる HTML メール)を多く見掛けます。Mew は、標準では Text/Plain の方を優先して表示します。"emacs-w3m" をインス トールすれば、Text/Html の方を優先したくなるかもしれません。その場合、 以下の設定を "~/.mew.el" に加えて下さい。(ここで See section MIME を表示する を読 み、‘:’ の使い方も思い出しておきましょう。)
(setq mew-mime-multipart-alternative-list '("Text/Html" "Text/Plain" ".*"))
ZIP で暗号化された添付ファイルは、‘zz’ で復号化し表示できます。
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8.3 Draft mode
自分へ Cc: したい人は ‘mew-cc’ を設定して下さい。返答の際には、対象 のメッセージから、別途 Cc: が用意される場合があります。複数の Cc: がある 場合、送信時に 1 つにまとめられます。
バックアップのため、自分が送るメッセージを受け取りたいと考え、しかもヘッ ダに自分のアドレスを残したくないなら、Dcc: を使って下さい。 ‘mew-dcc’ に自分のアドレスを設定しましょう。
いつも入れて欲しいヘッダは、‘mew-header-alist’ に連想リスト形式で定 義して下さい。以下に例を示します。
(setq mew-header-alist '(("X-fingerprint:" "6B 63 38 88 67 5E 96 8E CE A4 62 73 3F 11 64 94") ("X-URL:" "http://www.example.org/~kazu/")))
引用ラベルは、引用するフィールドを ‘mew-cite-fields’、ラベルの書式 を ‘mew-cite-format’ に定義します。引用記号は ‘mew-cite-prefix’ に指定します。初期値は、以下のようになっています。
(defvar mew-cite-fields '("From:" "Subject:" "Date:")) (defvar mew-cite-format "From: %s\nSubject: %s\nDate: %s\n\n") (defvar mew-cite-prefix "> ")
引用ラベルに Message-ID: を加えるには以下のようにします。
(setq mew-cite-fields '("From:" "Subject:" "Date:" "Message-Id:")) (setq mew-cite-format "From: %s\nSubject: %s\nDate: %s\nMessage-Id: %s\n\n")
引用記号にアドレスのユーザ部分が付くようにするには以下のようにします。
(setq mew-cite-prefix-function (function mew-cite-prefix-username))
これで引用記号は以下のようになります。
From: SUMIKAWA Munechika <sumikawa@ebina.hitachi.co.jp> Subject: Wine Date: Wed, 23 Jul 1997 11:40:50 +0900 sumikawa> おはようからおやすみまでニートでおなじみの角川です。 sumikawa> sumikawa> さて、とろけるワイン作戦ですが、定石通り '89 のボルドーの sumikawa> カベルネ・ソービニョンを狙いたいと思います。
引用ラベルの From: の部分と、引用記号は、アドレス帳の個人情報の要素に変 換できます。それぞれ、‘mew-addrbook-for-cite-label’、 ‘mew-addrbook-for-cite-prefix’ で指定できます。初期値はそれぞれ ‘nil’ と ‘'username’ です。以下のような値が設定できます。
- ’shortname
短縮名
- ’address
アドレス
- ’username
アドレスのユーザ部分
- ’nickname
ニックネーム
- ’name
正式な氏名
例として以下のような設定を考えてみましょう。
(setq mew-addrbook-for-cite-label 'nickname) (setq mew-addrbook-for-cite-prefix 'nickname)
最初の設定でラベルの中のアドレスがニックネームに変わります。また、次の設 定で引用記号もニックネームに置き換わります。
From: すみっち Subject: Wine Date: Wed, 23 Jul 1997 11:40:50 +0900 すみっち> おはようからおやすみまでニートでおなじみの角川です。 すみっち> すみっち> さて、とろけるワイン作戦ですが、定石通り '89 のボルドーの すみっち> カベルネ・ソービニョンを狙いたいと思います。
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8.4 文字コード
See section 文字コードの決定 で説明したように、Mew ではメッセージを作成する際に 適切な文字コードを自動的に選択します。
もし複数の言語の文字が混在しており、国際化された文字コードを選択する必要 がある場合は、‘mew-charset-m17n’ の値を利用します。初期値は、 "utf-8" (Unicode と理解してよい)です。"iso-2022-jp-2" にしたい人は、以下 のように設定するとよいでしょう。
(setq mew-charset-m17n "iso-2022-jp-2")
メッセージを作成した際に、推測された文字コードを確認したい場合は、 ‘mew-ask-charset’ を設定して下さい。
- ‘nil’
どのような文字コードが利用されても確認なし
- ‘文字コードのリスト’
このリストに存在しない文字コードが利用された場合に確認
- ‘t’
‘mew-charset-m17n’ が利用された場合に確認
たとえば、US-ASCII と ISO-2022-JP 以外の文字コードが選ばれた場合確認した いのであれば、以下のように設定して下さい。
(setq mew-ask-charset '("us-ascii" "iso-2022-jp"))
こう設定しているとき、たとえば "utf-8" が選択されると、以下のように訊か れます。
utf-8 is used. OK? (y or n)
‘y’ を押すと、メッセージが送信されます(あるいは、キューに溜ります)。 ‘n’ を押すと、草稿が元の状態に戻ります。
ヨーロッパでは、Latin 1 (ISO-8859-1) の代りに、ユーロ記号を含む Latin 9 (ISO-8859-15、通称 Latin 0) が使われ始めています。草稿に、Latin 1 の文字 と Latin 9 の文字が混在していると、以下の手順によって、文字コードが決定 されます。
-
‘unify-8859-on-decoding-mode’ を利用している場合:
- ISO-8859-1 に収まるなら "iso-8859-1" を利用
- そうでないなら "utf-8" を利用
-
‘unify-8859-on-decoding-mode’ を利用していない場合:
- ISO-8859-1 と ISO-8859-15 のどちらにも収まる場合、"ISO-8859-1"
- ISO-8859-1 に収まるなら "iso-8859-1" を利用
- ISO-8859-15 に収まるなら "iso-8859-15" を利用
- そうでないなら、"utf-8" を利用
‘mew-charset-latin’ の初期値は、"iso-8859-15" です。"iso-8859-1" に したい場合は、以下のように設定します。
(setq mew-charset-latin "iso-8859-1")
もし、US-ASCII 以外の文字に対し、必ず UTF-8 を使いたいなら、以下のよう に設定して下さい。
(setq mew-cs-database-for-encoding `(((ascii) nil "7bit" "7bit") (nil utf-8 "base64" "B")))
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8.5 色付け
‘mew-use-highlight-mark’ が ‘t’ の場合、マークの付いたメッセー ジに色が付きます。初期値は ‘t’ です。
‘mew-use-highlight-header’ が ‘t’ の場合、メッセージのヘッダに 色が付きます。初期値は ‘t’ です。
‘mew-use-highlight-body’ が ‘t’ の場合、メッセージの本文に色が 付きます。初期値は ‘t’ です。色を付ける上限は、 ‘mew-highlight-body-max-size’ で指定できます。初期値は 10000 バイト です。
‘mew-use-highlight-url’ が ‘t’ の場合、メッセージ中の URL に仕 掛けが施されて、マウスを持っていくと光るようになります。初期値は ‘t’ です。
‘mew-use-cursor-mark’ が ‘t’ の場合、Summary モードにおいて、 現在表示しているメッセージの行頭に、‘mew-cursor-mark’ で指定された 目印が付きます。初期値は ‘nil’ です。‘mew-cursor-mark’ の初期 値は ">" です。
‘mew-use-highlight-cursor-line’ が ‘t’ の場合、Summary モード でカーソルのある行に下線が引かれます。初期値は ‘t’ です。
‘mew-use-highlight-mouse-line’ が ‘t’ の場合、Emacs がマウスの 色付けをサポートしていれば、Summary モードでマウスのある行に色がつきます。 真中のボタンをクリックしながら、マウスだけでメッセージを読む際にはとても 便利です。初期値は ‘nil’ になっています。
‘mew-use-highlight-x-face’ が ‘t’ で、ヘッダ中の X-Face: が Message モードでアイコン化されます。初期値は ‘t’ です。この機能を 利用するには、"netpbm" と "compface" パッケージをインストールして下 さい。
色を変更するには、Mew のソースと一緒に配布されている "conf/dot.theme" を 適当な名前でコピーし内容を変更します。ここでは、そのファイル名を "~/.mew-theme.el" としましょう。まず、この名前を ".mew.el" で ‘mew-theme-file’ に指定して下さい。
(setq mew-theme-file "~/.mew-theme.el")
次に中身を変更します。たとえば、以下のような設定が見つかります。
(mew-setface-bold header-subject :tty "red" :light "Firebrick" :dark "OrangeRed")
シンボル ‘header-subject’ は、ヘッダの "Subject:" の値を意味してい ます。:tty は Emacs をカラーの端末で起動した場合、:light と :dark は、 それぞれ Emacs をウインドウで起動したときの背景が白と黒の場合を意味して います。
端末では green 、背景が白なら ForestGreen、背景が黒なら LimeGreen と設 定するには、以下のようにします。
(mew-setface-bold header-subject :tty "green" :light "ForestGreen" :dark "LimeGreen")
シンボルに何があるのかは、"conf/dot.theme" を見て下さい。
上記の方法では、ヘッダのすべてのフィールド名やフィールド値に対してシン ボルが定義されている訳ではありません。そこで、どんなフィールドの色でも 簡単に変更できるように、‘mew-header-color’ と ‘mew-header-color-bold’ という関数が用意されています。後者を使うと 太字に、前者を使うと普通の文字になります。たとえば、以下のように使いま す。
(mew-header-color-bold "Subject:" "LimeGreen" "OrangeRed")
この設定では、"Subject:" が LimeGreen の太字に、その値が OrangeRed の太 字になります。
この方法では、端末や背景の色を考慮した設定はできません。また、フィール ド値の色を省略すると、フィールド名と同じ色が使用されます。
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8.6 フック
Mew で用意されているフックをまとめます。
- ‘mew-env-hook’
Mew の起動時の環境が設定される前に評価される。
- ‘mew-init-hook’
Mew の起動時に評価される。
- ‘mew-status-update-hook’
状態の更新(‘Z’)のときに評価される。
- ‘mew-summary-mode-hook’
Summary モードに入るときに評価される。
- ‘mew-virtual-mode-hook’
Virtual モードに入るときに評価される。
- ‘mew-thread-display-hook’
スレッドが表示された後に評価される。
- ‘mew-header-mode-hook’
Header モードに入るときに評価される。
- ‘mew-draft-mode-hook’
Draft モードに入るときに評価される。
- ‘mew-draft-mode-newdraft-hook’
新しい草稿が用意された際に、Draft モードにおいて評価される。
- ‘mew-draft-mode-reedit-hook’
+draft でないフォルダにある古い草稿を再編集した際に、Draft モードにおい て評価される。
- ‘mew-draft-mode-reedit-draft-hook’
+draft でないフォルダにある草稿を再編集した際に、Draft モードにおいて評 価される。
- ‘mew-draft-mode-reedit-queue-hook’
+queue または +postq フォルダにあるメッセージを再編集した際に、Draft モー ドにおいて評価される。
- ‘mew-draft-mode-edit-again-hook’
古い形式で戻ってきたメッセージを再編集した際に、Draft モードにおいて評価 される。
- ‘mew-message-mode-hook’
Message モードに入るときに評価される。
- ‘mew-message-hook’
メッセージが Message モードで表示される度に評価される。
- ‘mew-make-message-hook’
Draft モードで MIME メッセージを作る前、つまり ‘C-cC-m’ の際の最初 に評価される。例:(add-hook ’mew-make-message-hook ’ispell-message)
- ‘mew-send-hook’
メッセージを SMTP で送信/キューイングする前に評価される。メッセージの最 終形が作られる前に評価されることに注意。
- ‘mew-post-hook’
メッセージを NNTP で投稿/キューイングする前に評価される。メッセージの最 終形が作られる前に評価されることに注意。
- ‘mew-real-send-hook’
メッセージを SMTP で送信/キューイングする前に評価される。メッセージの最 終形が作られた後に評価されることに注意。
- ‘mew-real-post-hook’
メッセージを NNTP で送信/キューイングする前に評価される。メッセージの最 終形が作られた後に評価されることに注意。
- ‘mew-smtp-flush-hook’
+queue フォルダにメッセージがある場合に、SMTP が起動される前に評価され る。
- ‘mew-nntp2-flush-hook’
+postq フォルダにメッセージがある場合に、NNTP が起動される前に評価され る。
- ‘mew-smtp-sentinel-hook’
SMTP が終了する際に評価される。
- ‘mew-nntp-sentinel-hook’
受信用の NNTP が終了する際に評価される。
- ‘mew-nntp2-sentinel-hook’
送信用の NNTP が終了する際に評価される。
- ‘mew-pop-sentinel-hook’
POP が終了する際に評価される。
- ‘mew-pop-sentinel-non-biff-hook’
Biff ではない POP が終了する際に評価される。
- ‘mew-imap-sentinel-hook’
IMAP が終了する際に評価される。
- ‘mew-imap-sentinel-non-biff-hook’
Biff ではない IMAP が終了する際に評価される。
- ‘mew-scan-sentinel-hook’
Summary モードの ‘s’ が終了する際に評価される。
- ‘mew-summary-ls-no-scan-hook’
Summary モードの ‘s’ がフォルダの一覧を取らなかった場合に評価される。
- ‘mew-summary-exec-hook’
Summary モードの ‘x’ の実行が終了する際に評価される。
- ‘mew-refile-guess-by-from-learn-hook’
mew-refile-guess-by-from-learn が実行される際に評価される。
- ‘mew-sort-hook’
Summary モードの ‘M-s’ の実行が終了する際に評価される。
- ‘mew-pack-hook’
Summary モードの ‘O’ の実行が終了する際に評価される。
- ‘mew-summary-delete-folder-hook’
フォルダが削除されるときに評価される。
- ‘mew-summary-rename-folder-hook’
フォルダ名が変更されるときに評価される。
- ‘mew-summary-toggle-disp-msg-hook’
Summary モードの ‘v’ の実行が終了する際に評価される。
- ‘mew-syntax-format-hook’
マルチパートの書式を作成する関数 ‘mew-syntax-format’ が呼ばれた際に 評価される。
- ‘mew-addrbook-mode-hook’
アドレス帳の登録モードに入るときに評価される。
- ‘mew-cite-hook’
Draft モードで引用する際に呼ばれる。通常 supercite を設定するために使う。
- ‘mew-before-cite-hook’
Draft モードでメッセージを引用する直前に呼ばれる。
- ‘mew-suspend-hook’
Mew を一時中断した際に評価される。
- ‘mew-quit-hook’
Mew の終了時に評価される。
以下にフックの設定例を示します。
Draft モードでは、フックを ‘text-mode-hook’、 ‘mew-draft-mode-hook’ の順で評価します。‘text-mode-hook’ で ‘auto-fill-mode’ を設定していない人は、 ‘mew-draft-mode-hook’ を以下のように設定するのがよいかもしれません。
(add-hook 'mew-draft-mode-hook (lambda () (auto-fill-mode 1) (set-fill-column 70)))
この例では、折り返しのカラム数を70に設定しています。
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8.7 POP
Mew では、メッセージを受信する際に POP を利用できます。ここでは、POP を 制御するための以下の変数についてまとめます。
- ‘mew-pop-server’
POP サーバの名前。
- ‘mew-pop-ssh-server’
POP を SSH 経由で取得する場合の SSH サーバの名前。
- ‘mew-pop-ssl’
POP over SSL を使うか否か。
- ‘mew-pop-ssl-port’
POP over SSL のポート番号。
- ‘mew-pop-user’
POP のアカウント名。初期値はログイン名。
- ‘mew-pop-auth’
POP の認証方式。‘'pass’ は USER/PASS (生パスワード)、‘'apop’ は APOP、‘t’ は ‘mew-pop-auth-list’ に従った SASL を意味する。 初期値は ‘'apop’。
- ‘mew-pop-auth-list’
SASL で利用する認証方式のリスト。優先順位の高い順に並べる。現在、 "CRAM-MD5" が利用可能。
- ‘mew-pop-delete’
POP サーバからメッセージを取得後、POP サーバにあるメッセージを削除するか 否か。‘t’ なら削除。‘nil’ なら削除しない。数値 N なら、最初の アクセスから N 日後に削除する。初期値は ‘t’。
- ‘mew-pop-size’
POP サーバから取得するメッセージの大きさの上限。初期値は 55296 バイト。0 に設定すると、上限なしの意味になり、すべてのメッセージを取得する。上限に 引っ掛かったメッセージの全体を取得する方法については、See section メッセージの取得 を参照のこと。
- ‘mew-pop-body-lines’
大きさの上限にひっかかったメッセージの本文を何行取得するかという値。初 期値は 40。
- ‘mew-pop-header-only’
POP でメッセージを取得する際に、ヘッダのみにするか、本文も取得するか。 ‘nil’ でなければ、ヘッダのみを取得。初期値は ‘nil’。
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8.8 IMAP
Mew では、メッセージを受信する際に IMAP を利用できます。ここでは、IMAP を制御するための以下の変数についてまとめます。
- ‘mew-imap-server’
IMAP サーバの名前。
- ‘mew-imap-ssh-server’
IMAP を SSH 経由で取得する場合の SSH サーバの名前。
- ‘mew-imap-ssl’
IMAP over SSL を使うか否か。
- ‘mew-imap-ssl-port’
IMAP over SSL のポート番号。
- ‘mew-imap-user’
IMAP のアカウント名。初期値はログイン名。
- ‘mew-imap-auth’
IMAP の認証方式。‘nil’ は LOGIN (生パスワード)、‘t’ は ‘mew-imap-auth-list’ に基づいた SASL を意味する。初期値は ‘t’。
- ‘mew-imap-auth-list’
SASL で利用する認証方式のリスト。優先順位の高い順に並べる。現在、 "CRAM-MD5" と "LOGIN" が利用可能。
- ‘mew-imap-delete’
IMAP サーバからメッセージを取得後、IMAP サーバにあるメッセージを削除するか 否か。‘t’ なら削除。‘nil’ なら削除しない。数値 N なら、最初の アクセスから N 日後に削除する。初期値は ‘t’。
- ‘mew-imap-size’
IMAP サーバから取得するメッセージの大きさの上限。初期値は 55296 バイト。 0 に設定すると、上限なしの意味になり、すべてのメッセージを取得する。上限 に引っ掛かったメッセージの全体を取得する方法については、 See section メッセージの取得 を参照のこと。
- ‘mew-imap-header-only’
IMAP でメッセージを取得する際に、ヘッダのみにするか、本文も取得するか。 ‘nil’ でなければ、ヘッダのみを取得。初期値は ‘nil’。
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8.9 NNTP
Mew では、ニュースを読み書きする際に NNTP を利用します。ここでは、NNTP を制御するための以下の変数についてまとめます。
- ‘mew-nntp-server’
NNTP サーバの名前。
- ‘mew-nntp-ssh-server’
NNTP を SSH 経由で取得する場合の SSH サーバの名前。
- ‘mew-nntp-ssl’
NNTP over SSL を使うか否か。
- ‘mew-nntp-ssl-port’
NNTP over SSL のポート番号。
- ‘mew-nntp-user’
NNTP のアカウント名。もし ‘nil’ でなければ、認証の手続きが実行され る。(mew-nntp-auth という変数はないことに注意。)
- ‘mew-nntp-newsgroup’
ニュースグループ名の初期値。
- ‘mew-nntp-size’
NNTP サーバから取得するメッセージの大きさの上限。初期値は 55296 バイト。 0 に設定すると、上限なしの意味になり、すべてのメッセージを取得する。上限 に引っ掛かったメッセージの全体を取得する方法については、 See section メッセージの取得 を参照のこと。
- ‘mew-nntp-header-only’
NNTP でメッセージを取得する際に、ヘッダのみにするか、本文も取得するか。 ‘nil’ でなければ、ヘッダのみを取得。初期値は ‘nil’。
- ‘mew-nntp-msgid-user’
Message-Id: を作成するためのユーザ名。‘nil’ であれば ‘mew-user’ の値が利用される。初期値は ‘nil’。 Message-Id: の書式は以下を参照。
- ‘mew-nntp-msgid-domain’
Message-Id: を作成するためのドメイン名。‘nil’ であれば ‘mew-mail-domain’ の値が利用される。初期値は ‘nil’。 Message-Id: の書式は以下を参照。
なお、NNTP 用の Message-Id: の値は以下のように作成されます。
message-id = *random*.nntp-msgid-user@nntp-msgid-domain
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8.10 SMTP
Mew では、メッセージを送信する際に SMTP を利用します。SMTP サーバが認証 を要求した場合、Mew は自動的にユーザにバスワードの入力を求めます。ここ では、SMTP を制御するための以下の変数についてまとめます。
- ‘mew-smtp-server’
SMTP サーバの名前。
- ‘mew-smtp-port’
SMTP ポート番号。絶対パス名を指定すると Unix ドメインソケットを 使用する。
- ‘mew-smtp-submission-family’
SMTP サーバと接続する際に用いるアドレスファミリ。初期値は ’ipv4。
- ‘mew-smtp-ssh-server’
SSH 経由でメッセージを送る際の SSH サーバの名前。
- ‘mew-smtp-ssl’
SMTP over SSL を使うか否か。
- ‘mew-smtp-ssl-port’
SMTP over SSL のポート番号。
- ‘mew-smtp-user’
SMTP AUTH で利用されるアカウント名。設定されない場合は、自動的にメール アドレスに設定される。
- ‘mew-smtp-auth-list’
SMTP AUTH で利用する認証方式のリスト。優先順位の高い順に並べる。初期値 は、’("CRAM-MD5" "PLAIN" "LOGIN")。
- ‘mew-smtp-helo-domain’
SMTP HELO コマンドで使われるサーバ名。初期値は "localhost"。
- ‘mew-smtp-mail-from’
SMTP MAIL FROM コマンドで指定されるアドレス。‘nil’ の場合は、From: フィールドのアドレスが指定される。初期値は ‘nil’。
- ‘mew-smtp-msgid-user’
Message-Id: を作成するためのユーザ名。‘nil’ であれば ‘mew-user’ の値が利用される。初期値は ‘nil’。 Message-Id: の書式は以下を参照。
- ‘mew-smtp-msgid-domain’
Message-Id: を作成するためのドメイン名。‘nil’ であれば ‘mew-mail-domain’ の値が利用される。初期値は ‘nil’。 Message-Id: の書式は以下を参照。
- ‘mew-use-8bit’
8 ビットテキストを符号化せずにそのまま送るか否か。‘nil’ の場合は、適 切な MIME 符号化が施される。初期値は ‘nil’。
なお、SMTP 用の Message-Id: の値は以下のように作成されます。
message-id = *random*.smtp-msgid-user@smtp-msgid-domain
Message Submission (ポート番号が 587 である送信用の SMTP)を使いたい場合 は、以下のように設定して下さい。
(setq mew-smtp-port "submission")
送信サーバとの接続に Unix ドメインソケットを使いたい場合は、以下のように ‘mew-smtp-port’ に絶対パス名を設定して下さい。
(setq mew-smtp-port "/var/run/msp.sock")
送信サーバとの接続に IPv6 を使いたい場合は、以下のように ‘mew-smtp-submission-family’ に ’ipv6 を設定して下さい。
(setq mew-smtp-submission-family 'ipv6)
SSL (See section Secure Socket Layer)や TLS (See section Transport Layer Security) の章も参考にして下さい。
SMTP サーバの中には、認証なし、つまりパスワードを送られるとエラーと見な す設定であるにも関わらず、認証を要求してくるものがあります。Mew は、 SMTP サーバが認証を要求すると、ユーザにパスワードを尋ねて、入力されたパ スワードをサーバへ送ります。上記のようなおかしな SMTP サーバに対処する には、以下のように設定し、認証を要求されてもパスワードを送らなくすればよ いでしょう。
(setq mew-use-smtp-auth nil)
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8.11 送受信の動作変化
‘mew-config-alist’ を使うと、メッセージの送受信に関する動作に変化を つけられます。以下の設定例を使って説明します。
(setq mew-config-alist '((home (inbox-folder "+inbox-home") (pop-server "pop.iij4u.or.jp")) (ext (pop-ssh-server "ssh.example.org")) (default (proto "%") (imap-server "imap.example.org") (pop-server "pop.example.org"))))
この例では、"home"、"ext"、"default" という 3 つのケースを定めています。 それぞれのケースに対して、いくつかのキーと値の対が設定されています。
この例を使って、‘mew-config-alist’ の意味を説明します。ケースを "home" にして "pop-server" を索くと、"pop.iij4u.or.jp" が得られます。ケー スを "ext" にして "pop-server" を索くと、"ext" には該当するキーがな いので、"default" を見て、"pop.example.org" が得られます。ケースを "default" にして "pop-server" を索くと、"pop.example.org" が得られます。
ケースを "home" にして "inbox-folder" を索くと、"+inbox-home" が得られま す。ケースを "ext" にして "inbox-folder" を索くと、"ext" には該当するキー がなく、さらに "default" にもないので、‘mew-inbox-folder’ という変 数の値が得られます。ケースを "default" にして "inbox-folder" を索いた場 合も、‘mew-inbox-folder’ の値が得られます。
"proto" (‘mew-proto’)は、‘M-x mew’ と入力された際に、どのフォ ルダに移動するか指定するために使います。(Mew を起動するために ‘M-x mew’ と入力する場合、"default" ケースの "proto" が利用されま す。Mew が起動している際に、‘M-x mew’ と入力するとケースに従って、 "proto" が選ばれます。)
値の候補は、"+"、"$"、"%"、"-" です。これらは標準では、"+inbox"、 "$inbox"、"%inbox"、"-fj.mail.reader.mew" を意味します。
‘mew-config-alist’ で設定できるキーは、‘mew-"キー"’ という変 数に対応しています。以下に設定できる項目を列挙します。
name, user, mail-domain, cc, fcc, dcc, reply-to, organization, header-alist, proto, smtp-server, smtp-port, smtp-ssh-server, smtp-ssl, smtp-ssl-port, smtp-user, smtp-auth-list, smtp-msgid-user, smtp-msgid-domain, smtp-helo-domain, smtp-mail-from, pop-server, pop-port, pop-ssh-server, pop-ssl, pop-ssl-port, pop-user, pop-auth, pop-auth-list, pop-size, pop-header-only, pop-delete, pop-body-lines, pop-proxy-server, pop-proxy-port, imap-server, imap-port, imap-ssh-server, imap-ssl, imap-ssl-port, imap-user, imap-auth, imap-auth-list, imap-size, imap-header-only, imap-delete, imap-trash-folder, imap-queue-folder, imap-spam-field, imap-spam-word, imap-proxy-server, imap-proxy-port, nntp-server, nntp-port, nntp-ssh-server, nntp-ssl, nntp-ssl-port, nntp-user, nntp-size, nntp-header-only, nntp-msgid-user, nntp-msgid-domain, prog-ssl-arg, ssl-cert-directory, ssl-verify-level, inbox-folder, queue-folder, postq-folder, mailbox-type, mbox-command, mbox-command-arg, signature-file, content-type, refile-guess-alist, spam-prog, spam-prog-args, ham-prog, ham-prog-args, use-old-pgp, pgp-signer, smime-signer, privacy-method, protect-privacy-always, protect-privacy-always-type, protect-privacy-encrypted, protect-privacy-encrypted-type, protect-privacy-with-old-pgp-signature, use-format-flowed
name、user、mail-domain は以下の規則にしたがって、From: の値になります。
from = name <user@mail-domain>
自分で ‘mew-from-list’ を設定していない場合は、上記のルールに従い各 ケースの from を集めて、‘mew-from-list’ が自動的に設定されます。 See section ヘッダの循環的な補完 を参照のこと。
‘mew-config-alist’ に設定したケース名をケースに指定できます。Mew の起動時のケースは、"default" になっています。
Summary モードにおいて、ケースを変更するには ‘C’ を利用します。ケー スには、‘TAB’ で補完、‘C-cTAB’ で循環的な補完が効きます。
ケースが "default" 以外の値をとった場合は、Summary モードのモードライン に表示されます。以下はケースが "home" となっている場合の例です。
(Summary home)
Draft モードでは、ケースが "default" でない場合、モードラインにその値が 表示されます。以下は、ケースが "home" である場合の例です。
(Draft home)
Draft モードにおいて、その草稿のケースを変更するには、‘C-cC-o’ を 用います。mail-domain キーや header-alist キーに対応する値に応じて、ヘッ ダが動的に変更されます。なお、このケースは、その Draft モードに固有にな ります。
Draft モードでは、ケースを自動的に設定することもできます。
- ‘mew-case-guess-when-prepared’
この変数が ‘t’ の場合、草稿が用意されたときに、 ‘mew-case-guess-alist’ に従ってケースが設定される。初期値は ‘t’。
- ‘mew-case-guess-when-composed’
この変数が ‘t’ の場合、メッセージが作成されたときに、 ‘mew-case-guess-alist’ に従ってケースが設定される。初期値は ‘nil’
- ‘mew-case-guess-when-replied’
この変数が ‘t’ の場合、返答によって草稿が用意されたときに、 ‘mew-case-guess-when-replied-alist’ に従ってケースが設定される。初 期値は ‘t’。
‘mew-case-guess-alist’ と ‘mew-case-guess-when-replied-alist’ の書式は、‘mew-refile-guess-alist’ と同じです。詳しくは、 See section 指定した規則から推測 を参照して下さい。
Draft モードで草稿を送信するために ‘C-cC-c’ を使うと、Draft モード のケースが SMTP/NNTP サーバなどを決定するために利用されます。Summary モー ドで +queue/+postq のメッセージを送り出すために ‘C-cC-c’ を利用す ると、Summary モードのケースが利用されます。たとえ、そのケースが Draft モードで指定されていたケースと違ってもです。Summary モードで ‘C-uC-cC-c’ を使うと、+queue/+postq のメッセージを送り出すためのケー スが指定できます。
以下にケースに関するコマンドをまとめます。
- ‘C’
Summary モードにおいて、ケースを設定する。
- ‘C-cC-o’
Draft モードにおいて、その草稿のケースを設定する。
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8.12 設定の書式
Mew 6.1 から ".mew.el" の設定方法が改善されました。古い書式も有効ですが、 より簡単な新しい書式も利用できます。
- - 古い書式ではリストの中に "." が現れる場合がありました。新しい書式では、 "." はまったく使われません。たとえば、("foo" . "bar") と書いていたとこ ろは、("foo" "bar") と書けます。
- - 古い書式では、ポート番号は文字列で書いていました。たとえば、"25" です。 新しい書式では、数値で書いてもよくなりました。たとえば、25 です。文字列 も有効です。たとえば、"smtp" です。
- - 古い書式では、‘mew-config-alist’ のケースやキーを文字列で書いてい ました。新しい書式では、シンボルで書けます。
以下に mew-config-alist を新しい書式で書いた例を示します。
(setq mew-config-alist '((home (imap-server "imap.example.org") (imap-ssl t) (imap-ssl-port 993) (smtp-server "smtp.example.org") (smtp-port "submission"))))
以下の古い書式と見比べて下さい。
(setq mew-config-alist '(("home" ("imap-server" . "imap.example.org") ("imap-ssl" . t) ("imap-ssl-port" . "993") ("smtp-server" . "smtp.example.org") ("smtp-port" . "submission"))))
繰り返しますが、Mew 6.1 では古い書式も有効です。古い書式と新しい書式を 混ぜて書いても構いません。
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8.13 その他
環境によっては、添付ファイルをセーブする際に、ファイル名を SAMBA 形式に すると便利なことがあります。この場合、‘mew-use-samba-encoding’ を ‘t’ にして下さい。ファイル名として、どの文字コードを利用するかは、 ‘mew-cs-samba’ で指定できます。初期値は ‘shift_jis’ です。
Summary モードで ‘#’ と押すと、現在のメッセージを印刷できます。印 刷に利用する関数は ‘mew-print-function’ で定義します。初期値は、 ‘ps-print-buffer’ ですから、PostScript に変換されて印刷されます。 自分の作成した関数を利用するには、以下のように設定します。
(setq mew-print-function 'my-print-function)
ヘッダ中のどのフィールドを印刷するかは、‘mew-field-for-printing’ で指定できます。初期値は、以下のようになっています。
'("Subject:" "From:" "To:" "Cc:" "Date:")
たとえば、Subject:、From:、Date: のみを印刷するには、以下のように設定し ましょう。
(setq mew-field-for-printing '("Subject:" "From:" "Date:"))
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