お迎えは 8:00 前にやってきていた。 ワゴンに乗り込み、セブ島の北端 Maya へ向かう。
セブの道はジェットコースターよりも恐ろしい。 歩道がないので人をひきそうだ。 単なるバイクはまだいいとして、 サイドカーを付けているバイクは、 遅い上に幅を取るから引っ掛けそう。 バスなんだか、乗り合いトラックなんだか分らない車も遅い。 かたっぱしからクラクションを鳴して抜いていく。 町を過ぎて田舎に入ると、道の真ん中の犬は避けようともしない。 死にたいのか?
車自体は不快ではないのだけれど、 地道を、そしてときにはガタガタ道を行くので、結構疲れる。 3 時間は気の遠くなる長さ。 道ばたの牛、馬、山羊、豚、鶏を見て気を紛らわせる。 きっちり 3 時間かかって Maya に着いた。
Maya にはまともな船着き場はない。 沖に浮かぶ Exotic の船にどうやって乗るのかと思っていたら、 現地の人が勝手に荷物を小舟に積み出した。 チップの相場は分らないが、とりあえずワゴンの運転手に 100 ペソ払い、 小舟に乗り込む。
小舟が出発しようとすると、荷物運びの人がでたらめな英語で何か話しかけてきた。 何回も聞き直して、チップが欲しいと言っていることに気付く。 "Tip" って、単語を覚える方がいいよ。 後で何だったのか判明するが、ここでは訳も分らず、相場も分らず、しょうがなく 100ペソを払う。
小舟は Exotic の船に近づき荷物を積み替えた。 僕達も船に乗り込む。 そしてまた、小舟の人からチップをねだられ、どうしてさらに払うんだと思いつつ、100ペソをあげる。
Exotic の船はあまり大きくはない。 転覆防止のために横に竹が付いている。 水を被りそうなので、 荷物ごと部屋に待避。 船は目の前に見える Malapascua へ向かう。 道中は案の定、水をたくさん被る。
30 分弱で Malapascua に到着。 満潮なので船は岸まで寄って停泊した。 幅が 20cm しかない板が掛けられ、これで船から降りろという。 こういうバランスは、クライマーにはお手のもの。 よかった、クライマーで。
書類にサインをしているとガイドの Toto が挨拶に来た。 今日もニタリが出たという。 まじー。 部屋に入り、荷物をばらして、いよいよチェックダイブ。
チェックダイブは、船で2分の House Reef。 Toto が英語でブリーフィングし、 僭越ながら僕が通訳。 エントリは、ジャイアントでもバックロールでもいい。
ロープを伝って潜行しようとすると、沈めない! 1kg は 2lbs だというので、ウェイトは 8lbs にしていた。 後で聞くと、2lbs は 900g ぐらいだという。 400g の違いで沈めないんだなぁ。 船から 2lbs もらって、ようやく潜行。
House Reef は砂浜で岩が点在している。 降りた地点はハゼ天国。 僕にはギンガに見える黄色いハゼもいる。
ジープなどが沈めてあって、よい漁礁になっているようだ。 ツバメ君の撮影に夢中になり、気が付くと回りに誰もいなくなっていた。 上を眺めて泡を探し泡っぽい方へ行くと、みんながいて一安心。 しばらくするとカメラが結露してしまい、もう写真は撮れない。
ロープに戻る途中で、黒いイザリウオが体の横半分を砂の穴に突っ込んでいた。 「頭の上の疑似餌を見せてみぃ」ということで、 ちょっとつついて穴から出す。 でもすぐに穴に戻る。 そんなにその穴が快適なんだろうか?
トオアカクマノミもいる。 でも、体全体が赤くてニシキゴイみたい。 「ドウアカクマノミ」って感じかな。:) 写真が撮れないのか残念だ。
最後は浮き気味になったので、石を 4 個ぐらい拾って耐えていた。 その内、僕のエアが 50 をきったので浮上。 70分もいたんだね。
2 本目は、日の入りダイビングでニシキテグリを見に灯台のポイントへ行く。 今回は Toto の説明が多い。 セブ周辺では、ニシキテグリはここにしかいない。 色が綺麗で、ヒレの動きが可愛い。 日が沈み出すと雄と雌は寄り添って、 プワーと浮かび出すので、それを写真に撮れ。 などなど。
潜行すると、いきなりニシキテグリがいた。 西表ではたくさん探してやっと一匹見つけたというのに、 ここにはウジャウジャいる。 しかも大きい。 写真を撮っていると、Toto がしばらく写真は止めろと合図をする。 待っていると、雄と雌が一緒になって、 プワーっと求愛遊泳を始めた。 これをランデブーと呼ばずして、何をランデブーを言うだろう?
写真を撮ると、フラッシュにビックリして、離ればなれになって珊瑚に隠れる。 もしかして、僕達はかなりヤボなことをしているんじゃない? たくさんいたニシキテグリは日没と共にいなくなった。
水中は暗くなって、ナイトダイビングの様相を呈する。 次の主役は竜の落とし子。 これまた大きい。 ライトを当てると「いやーん」と言いながら逃げていく。 逃げる様はヨウジウオそのもの。 きっとお爺ちゃんはヨウジウオだったに違いない。
とっても面白いダイビングだった。
夜は Exotic で食事。 あまり美味しくない。 カルボナーラなんて、こんな麺でいいのかという感じ。 明日は違う店に行ってみよう